まぼろしのエントリー2

筑波では125ccに乗る友人の車に同乗で参加していました。
そうです、当時私は普通免許がなかったのです。
鈴鹿もその友人が同行してくれるはずでした。
4月も下旬に入った頃に友人の経営する中古車販売店が店じまい!!
連絡もとれません。友人には悪いけど「俺の鈴鹿はどうなるんだ.....」
他の友人に頼んでみましたが良い返事はもらえませんでした。
それなら足に使っているバイクにリヤカ−を付けてマシンを積んで鈴鹿へいこう。
そうでもしないと耐久が夢となる。心に決め、親や友人にも話をしてみたが
全員が異口同音に「そんな無茶なこと絶対にやめろ!」
「鈴鹿のレ−ス前にお前が終わるぞ」と反対され納得してあきらめました。
ゆえに幻のエントリ−なのです。25年前のお笑いでした。

がしかし、24年経った昨年(平成9)の十月に以前お世話になったTD-2が
私の元に戻ってきたのです。夢です。夢が実現するのです。
錆ついたボディ−が25年の時を物語っておりました。
これを蘇らせるにはサンドブラストが必要です。
市販で40万ぐらいします。試行錯誤を繰り返し、それを自作しました。
幻を実現したい一心です。フレ−ム、タンク、カウル等は専門家に頼み、
マ−クもプロデザイナ−に同様に無理を言って頼みました。
それ以外は全部寝る間も惜しんで?楽しく作業しました。
そして4月18日。とうとうエンジンに火の入る日が来ました。
桐生の某所にて25年前のレ−シングサウンドが響き渡りました。
感動して思わず涙がでました。
これまで手伝って頂いた皆様に感謝申し上げます。

幻の鈴鹿が現実となった日 97.5月25日。
スタ−トから4週、シケインを抜け最終コ−ナ−へ3速で進入。
出口で4速へシフトアップ。タコメ−タ−がグンとはねあがる。
5速全開でメインストレ−トを駆け抜けチェッカ−フラッグが振られる。

眼をタコメ−タ−から1コ−ナ−の先に向けると
遠くに光る海があった。