交通事故被害者:愛する人失った悲しみ知って 
支援担当警察官らに遺族が講演 /群馬

交通事故で身内や大切な人を亡くした遺族の心情に触れ、
犯罪被害者支援に生かそうと、
交通事故被害者の遺族を招いた講演会が28日、県警本部であり、
桐生市の山田穂子さん(52)と館林市の角田真喜子さん(51)の2人が
交通事故で息子を失った体験を語った。
各署の被害者支援担当者や警察学校の生徒ら約130人はメモをとりながら
熱心に耳を傾けた。

角田さんは事故で亡くなった長男廉さん(当時19歳)の思い出を振り返りながら、
「経験した者しか分からない」と話した。
長男大助さん(同18歳)を亡くした山田さんは
事故の加害者が軽微な処分で終わった点に触れ、
「命を失った息子のことを考えるといたたまれない」と語った。

2人は犯罪や事故で亡くなった人の人型オブジェや遺品などを展示する
「生命のメッセージin群馬」の実行委員を務める。
高崎市高松町の高崎シティギャラリーで10月8〜10日に開かれる。【伊澤拓也】

毎日新聞 2005年9月29日

県警本部で体験講演

県警は28日、交通事故被害者の遺族を招いた講演会を県警本部で開いた。
県内の遺族を招いての講演会は初めて。各署の被害者支援担当者や警察学校生ら
約130人が参加し、事件・事故の被害者や遺族の心情、必要な支援とは何かを学んだ。

 講演した遺族は、ともに長男を交通事故で亡くした館林市の角田真喜子さん(51)と
桐生市の山田穂子さん(52)。角田さんは現場の状況を詳しく知りたかったが、
事故直後にはなかなか教えてもらえなかったことを挙げ、
「被害者の権利はどれほど守られているのか。警察官の皆さんにはよく考えてほしい」と
訴えた。
山田さんは、民事裁判に臨む際に事故の検証を自分たちで行ったことなどを打ち明け、
「亡くなった、もの言わぬ被害者が尊重されるようにしてほしい」と話した。

 警察学校生の男性巡査(30)は
「被害者や遺族への態度に気をつけ、当事者意識を強く持ちたい」と話した。

(2005年9月29日  読売新聞)
上毛新聞

東京新聞 9/29