悲しみの色



  

ことばを紡いで
私は悲しみを綴ってみた

ほんの少し
悲しみは
形を変えて
憂いとなった

パステルカラーの虹がかかって

頬に伝う涙に
色がついた





  



旅人

だれも待つ人のいない家路は
足どりも重く
できることなら
このまま見知らぬ土地へ
行ってしまいたいと
思う

そうすれば
私は旅人
悲しみのすべてが
風のように
私の前を
通り過ぎて行くだろう






フォト:山田穗子