ひたすら・・・・南下する
居たたまれない思いのままに、最北の地から南下の道を
ひた走った。

ピース号を運転する主人は「心のカゼ」をひいて
ダウン寸前。
ピンネシリの道の駅に緊急停泊
昼下がりの駐車場の片隅に疲れ切った体を横たえる。

雲泥の空は晴れ渡り、乾いた風が駆け抜ける
冴え冴えと木々の葉が揺れ、大地の活力が溢れる真っ只中
車内の重い空気を吹き払いたくて窓を開けはなった。
芳しい風・・・
ラベンダーの香りを含んだ空気がピース号の中に満ちた。
せめて・・・心地よい眠りの中で静かな休息をと
私はとまとを連れ周辺の散策をし、花の中のベンチに座り
時を過ごした。
体中に充満してしまった悲しみを吐き出すように
深呼吸を繰り返す
足元に、とまとが擦り寄る
私を見上げるとまとの背を撫でる。
温もりが手のひらから・・・とまとが寄り添う足元から
伝わってきて、硬く重い心がスルスルと解けていく
穏やかな日差しが優しく感じられた。

この旅を、
悲しいままで終わりにしてはダメだよ・・・・
大助が・・・言っている。

私達は、
この先の旅を続ける決心をしました。
風の旅人とライダー犬とまと・・・と
供に・・・

旅の続きの後・・・2002年11月
我が家に大助の名前で届いた小包がありました。
ホクレンスタンプラリーのA賞
(コールマン・バックパック)でした。
主人や次男の名でも応募はがきを投函しましたが
大助の名前で投函したA賞が送られてきたのです。
まさしく大助が一緒に旅をした証が
晩秋に届きました。
それは・・・母の誕生日の直前でした。

ありがとう・・・大助・・・

風通信P
宗谷岬から
トップヘ