群馬では月遅れの七夕が８月に地域のお祭りとともに行われました。
そして・・・・今は・・・・盆迎え

　７月２３日ごろに・・・・出掛けた先で桐生のタウン誌を目にしました。
諏訪選手のインタビュー記事です・・・
「アテネのマラソンコースはアップダウンがあって
桐生の岡公園周辺のキツイ道を走っていたので思ったより楽に感じられた」
そんなコメントを言っているのを読み・・・・
あぁ～やっぱり・・・・大助と諏訪選手は一緒に走ったんだ・・・・と思い
もしかしたら・・・・諏訪選手の記憶の中に大助がいたら・・・・

そんな話を聞くことが出来たら・・・・
そんな思いに突き動かされました。

誰かの記憶に残された大助の姿を知る機会があったら・・・・・
私はうれしく思い・・・・・そして・・・・寂しさを募らせるのか・・・・・
わかりません。
今、
私は・・・・諏訪選手にエールを送ります。

　我が家では、大助と次男がワンフロアーの二階部分を（元本屋さんだった）
スチールの本棚で仕切ったスペースを共有していました。
次男はこの７月・・・一人住まいを始めました。
愛犬とまとが居ない寂しさと・・・・
エアコンが無く、暑さに耐えられないことを理由に
近所にアパートを借り・・・・子供部屋の住人が居なくなりました。

二段ベッドの上段は大助が居たときのままです。
大助の勉強机の上の読みかけの本も・・・・・飲み干した缶ポカリも、
そのままです。
次男は兄と共有していたスペースを・・・
一人で占有したいとは言いませんでした。
私は数年・・・その子供部屋部分に踏み入ることはあまりしませんでした。
でも、
この夏、８月１日から
次男の所有物を片付け・・・大助の机の周辺を掃除しました。
大助が高校２年の１月に書いた・・・履歴書を・・・・
机の本棚の下に変色した封筒の中に見つけました。
（アルバイトをするために書いたものと思います）

スピード写真コーナーで写したのか
半分陰のある写真が貼られた履歴書の文字は
まさしく大助の書いた文字
カキッカキッと硬い文字を目にしました。
なつかしくて・・・・懸命に書き込む大助の姿を幻のように見ました。

　北の窓を背にした椅子の脇にあった画板の横に、
丸められた画用紙がありました。
ホコリが被っていました。
２Ａ山田大助・・・とエンピツで書かれた名前・・・・・
仕上がっていない風景画は、裏山の中腹にある中学校から
桐生市内を描いたものでした。
我が家（屋根上の店の看板）が書かれていました。
大助が中学２年の時の看板が書かれています。
（今の看板は大助が高２の春に書き換えられました）

　なぜ・・・絵は仕上がっていないのだろう・・・・
大助は絵を捨てずに持ち続けていたのは・・・どうして・・・・
大助に尋ねたくて・・・・墓所に行き・・・・隣の中学校の校庭を歩き
中学生の大助に会いたくて返事を求めて歩きました。

　盆迎えを前に大助の仏壇周りを掃除しました。
仏壇横には大助が中学の頃から整備し、走らせていた８０ＣＣのレーサーがあり
燃料タンクの上のヘルメットのホコリも掃除しようと手にすると、
ヘルメットの内装が乾燥したカステラのようにボソボソになって
タンクの上に落ちているのを目にしました・・・・・・
何とも言えない・・・・・気持ちになりました。
床には、いつのまにかミッションオイルが抜け落ちたシミが広がっていました。

　二輪安全運転大会のトロフィーの上にもホコリが溜まっていました・・・・
（大助の名前のトロフィーはありません）
（でも私は・・・・大助とともに貰ったトロフィーだと思っています）
大助と一緒に参加するはずだった大会を私一人で参加し続けています・・・・・・

　お盆迎えの朝、
前日、洗っておいた大助のマグカップにコーヒーを注ごうとしました。
マグカップを手にして中を見ると・・・・
緑色した虫が居ました。
透明な緑色がとてもきれいで背中に模様がありました。
一瞬・・・熱いコーヒーを注ぐ手が止まったことにホッとしました。
不思議なことに・・・・緑色した虫は逃げようとしません。
マグカップを持って北側の窓から階下のアジサイの木へ緑色の虫を
逃がそうとしました。
マグカップから出てきた虫は私の手の甲に移り・・・・
しばらくじっとしていました。
そして、飛び立ったのです。

大助が姿を変え帰ってきてくれたのでしょうか・・・・・

日が落ちて北側の窓の方から虫の鳴き声がしないかと
耳を傾けています。
この夏・・・・
大助の描きかけの絵に・・・・私が色を加えたら・・・・・
大助は怒るかな・・・・
夏休みの仕上げられなかった宿題を・・・母の私が

子供たちが持っていた昆虫図鑑を調べたら
緑色の虫はキリギリスのようです

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　風旅人　大助の母
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　